愛知県神社庁

式年遷宮

第63回神宮式年遷宮に向けて

いよいよ本年から令和15年齋行の第63回神宮式年遷宮に向けて、足かけ9年をかけ、諸準備と様々なお祭りが執り行われます。
最初に齋行されるのは御用材の伐採・奉搬に関する諸祭です。
御神木※1をお迎えする今回の御神木奉迎送もその一環として執り行われます。御神木をお迎えするまでの流れはおおよそ次の通りです。

※1 神木奉迎送で奉搬される用材は「御樋代木(みひしろぎ)」といいます。これは皇大神宮・豊受大神宮の神体をお納めする代(みひしろ)の用材で、数ある用材の中でも神木と呼ばれ特に重に扱われます。

山口祭(やまぐちさい)

令和7年に行われる遷宮諸祭最初の祭典です。御用材伐採に当たり「山の口に坐す神」をおまつりします。古式に則り、神路山、高倉山の山口で執り行われます。

木本祭(このもとさい)

令和7年に両宮域内で行われる秘祭です。御本殿の床下中央に建てられる「心御柱(しんのみはしら)」の御用材の伐採に当たり、その「木の本に出す神」をおまつりします。

御袖始祭(みそまはじめさい)

令和7年に木曽谷国有林(長野県木曽郡上松町)の祭場で行われます。
御杣始祭は、御杣山※2での事始めの神事、いわゆる斧入式ですが、御神木を切り出すお祭りでもあります。
鄭重に祭典が齋行され、三ツ尾伐りという伝統技法で切り倒されます。
また6月5日には裏木曽御用材伐採式が裏木曽国有林(岐阜県中津川市加子母)で行われます。

※2 御杣山(みそまやま)
用材を切り出す山を御杣山といいます。
鎌倉時代まで皇大神宮(内宮)は神路山、豊受大神宮(外宮)は高倉山が御和山でしたが、次第に良材の確保が困難となり、第18回皇大神宮式年遷宮以降は志摩国や美濃国に移されました。
康永2年(1343)の第25回皇大神宮式年遷宮の折には、三河国設楽山が選定されたこともあります。
宝永6年(1709)第47回式年遷宮以降はもっぱら木曽の山から切り出されてきました。
戦後は、木曽国有林に御治定を仰ぎ、国に払い下げ申請して購入しています。
一方で、神宮宮域林では将来の遷宮に備えて、大正の末から、200年計画で植林をし、御造営用材の育成に努めています。

御神木奉迎送(ごしんぼくほうげいそう)

御杣山から切り出された御用材は、木曽から伊勢へと奉搬されます。
かつては、全ての御用材が木曽川の水運で伊勢へと運ばれていました。
運送手段の発達により陸送に変わった現在でも、御神木だけは出来るだけ古例に近い形で奉搬したいということから、木曽川沿いに運ばれます。
この神木を沿道の各地で、本迎神事や様々な伝統芸能等の奉祝行事でお迎えする行事が御神木奉迎送です。

愛知県では、木曽谷国有林から切り出された御神木を、国道41号線沿いの県境で長野県より引き継ぎます。
そして2泊3日をかけて、途中15ヶ所で御神木本迎送祭を執り行い、伊勢大橋の県境で三重県に引き渡します。
更にここで岐阜県側を奉搬されてきた裏木曽国有林の御神木と合流し、一路伊勢へと奉搬いたします。
御神木は多くの木曽檜の中から選び抜かれた良質の御用材ですが、それのみならず、奉搬途中の各地で、多くの人々の奉祝の誠と真摯な祈りを受けて、祭りに祭りを重ねて正に御樋代にふさわしい御神木になっていくのです。

数ある遷宮諸祭の中でも、最初の重儀であり、私ども国民が直に遷宮を肌で感じることの出来る数少ない大御祭です。
20年に1度のこの機会に多くの人にお出迎えいただき、奉祝の誠を捧げられますようご案内申し上げます。

御神木奉迎送のご案内

第63回神宮式年遷宮

私ども日本人が総氏神様として仰ぐ、伊勢の神宮には古くより「式年遷宮」という大切なお祭りがあります。
「式年」というのは定まった年という意味で、「遷宮」というのは文字通り、お宮を遷すことを表します。
簡単な言葉で言えば、決まった年数毎に大神様のお引っ越しをすることです。

皇祖天照大御神さまの鎮まります御社殿を、20年に1度、新しく造り替え、御装束神宝を新調してお遷り戴く。これが式年遷宮です。
この制度は今から約1300年前の天武天皇の御代に定められました。
そして次の持続天皇の4年(690)に第1回の式年遷宮が行われてから、今まで62回の御遷宮が行われており、次の第63回神宮式年遷宮は天皇陛下の御聴許を賜り、令和15年に齋行されます。

伊勢の神宮では、毎年10月に、神嘗祭(かんなめさい)といって、大御神様に新穀をたてまつる大祭が齋行されています。
式年遷宮は、この神嘗祭を20年に1度、盛大に齋行するもので、「大神嘗祭」とも言われます。
大御神様のお住まいやお着物、調度品を新しく調え、清々しい新宮にお遷り戴き、例年以上に盛大なお祭りを執り行い、御神威の再生とさらなる発展を祈る最も重要なお祭りです。
このお祭りは、古くから「皇家第一の重事」「神宮無双の大営」として、現代まで守り伝えられてきました。

式年遷宮の制度があるからこそ、伊勢の神宮は今尚、創建当初の姿を瑞々しく保っているとも言えます。 現代を生きる私どもは、国民こぞって奉賛の誠を捧げ、父祖から受け継いだこの麗しい伝統を、日本人の叡智として子々孫々まで守り伝えて行かなければなりません。

第63回神宮式年遷宮 諸祭行事一覧

★のある祭儀は、天皇陛下に「御治定」※3をいただく重要な祭儀です。
※3 御治定(じじょう)とは遷宮諸祭に関して特に重要な事柄は、天皇陛下に日時をお定めいただく慣例のこと。

【令和7年】

★山口祭(やまぐちさい)
★木本祭(このもとさい)
 御杣始祭(みそまはじめさい)
 御樋代木奉曳式(みひしろぎほうえいしき)
★御船代祭(みふなしろさい)

【令和8年】

 御木曳初式(おきひきぞめしき)
★木造始祭(こづくりはじめさい)
 御木曳行事(おきひきぎょうじ)(第1次)
 仮御樋代木伐採式(かりみひしろぎばっさいしき)

【令和9年】

 御木曳行事(おきひきぎょうじ)(第2次)

【令和10年】

 ★鎮地祭

【令和11年】

 宇治橋渡始式(うじばしわたりはじめしき)

【令和14年】

★立柱祭(りっちゅうさい)
 御形祭(ごぎょうさい)
★上棟祭(じょうとうさい)
 檐付祭(のきつけさい)
 甍祭(いらかさい)

【令和15年】

 お白石持行事(しらいしもちぎょうじ)
 御戸祭(みとさい)
 御船代奉納式(みふなしろほうのうしき)
 洗清(あらいきよめ)
 心御柱奉建(しんのみはしらほうけん)
★杵築祭(こつきさい)
★後鎮祭(ごちんさい)
 御装束神宝読合(おんしょうぞくしんぽうとくごう)
 川原大祓(かわらおおはらい)
 御飾(おかざり)
★遷御
 大御饌(おおみけ)
★奉幣(ほうへい)
 古物渡(こもつわたし)
 御神楽御饌(みかぐらみけ)
★御神楽(みかぐら)

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